僕は花火大会が嫌い。
友人に誘われて過去何度か花火大会に行ったが、最寄り駅は大混雑…身動きも取れず、電車から降りるのも乗るのも通常の何倍も時間と労力を要する。
いざ、大会会場に到着しても、汗っかきの僕はもうその段階で額から汗が吹き出し、シャツはビショビショ。
湿度もマックスで居心地悪さこの上なく、本当に辛い。
花火自体はキレイだなと感じるが、その前後の辛さを考えると、頭の中でそのキレイさと辛さを比較してしまい、どうしても行きたくなくなる。
そして何よりビールが高い!!
350ミリリットルのスーパードライが500円!!
これは決定打。
だったら、花火大会を自宅から観覧出来る高層マンションを持つ人を友人に持ち、クーラーの効いた部屋から花火を観ながら適正価格で購入したビールを呑む。
これを目指したが、そんな友人ができなかった為、花火大会にはここ数年行ってない。
しかし、その考えが一掃される花火を昨日は観た。
自宅から遠くにかすかではあったが…。
昨日は全国の花火師さん達が「医療従事者の方のために」「早くコロナウイルスが収束するために」という目的で、一斉に打ち上げたものだ。
花火業界は本当に大変らしい。
全国で軒並み花火大会は中止になり、収入の前年比なんて考えるのも厭われる状況で、人の為に何かを準備する心の余裕なんて僕なら持てないかもしれない。
いやいや絶対に持てない。
そんな中で立ち上がった勇敢な花火師達。
病院の屋上で喜ぶ看護師さんは涙を浮かべ、空を見上げる子供は満面の笑みを浮かべる。
こんなふうに人の心を打ち震わせる仕事を、他に僕は知らない。
コロナが落ち着いたら、そんな方々が一所懸命作り、心を込めて打ち上げる花火を、少しでも近くから観てみようと思った。
ビールは安いとこで買ってから行こう。